迷子の建築学生ブログ

たとえ道に迷ってもそれでいい

2月上半期に観たアニメの振り返り

最近、持てる時間の全てをアニメに費やしている。

理由は、何かを突き詰めたいから。生半可なアニメ好きではありたくない。どうせやるなら、とことんやりつくしたいのだ。

 

そんな決意から一週間程。その間に観たアニメの数は10を越えた。しかし、ある問題が生じた。それは色々な物語へ浸りすぎて、情報過多になってしまっていることだ。恋愛、SF、サスペンス、様々なジャンルが僕の頭の中で混在し、そして僕はアニメの海に溺れてしまった。

そのため、ここらで一旦得た物語を全て吐き出そうと思う。好きなアニメをオタク友達と語り合うように、骨の髄まで自分の考えを吐露してみる。

 

それに付随し、定性的な評価も下す。物語の構成、構図(見せ方)、完成度、面白さの3つの観点を、個人的感性で5段階で評価する。

以下ネタバレ注意。

 

1.がっこうぐらし

構成★★★★

構図★★★★

完成度★★★★

面白さ★★★★

 

ゾンビホラー学園物という複合ジャンルに分類されるであろう本アニメ。1話にて衝撃的展開から物語が進む。現実逃避から普通の学園生活に目を背け続ける主人公とその周りの友達の描写がとても痛々しく、見ていて辛くなる。ゾンビ物における、仲間がゾンビ化するという状況での苦しい選択、物語が進むにつれて回収される伏線、そして飽きさせないサスペンスな展開。

勿論いくらか設定の欠点や回収しきれない伏線等は見受けられるが、1クールでやりきった作品として十分に評価できる。丁寧さより展開を重視する僕としては、がっこうぐらしへの個人的評価は高め。

 

2.ゆゆ式

構成★★★

構図★★★★

完成度★★★★★

面白さ★★★

 

なんてことない会話。それらが通りすぎていく時間はとても安心できる。

ゆゆ式は日常系アニメであるが、中でもシリアスな展開やストレス要因となる出来事は一切ない。ゆるーい世界観は疲弊した僕らに活力を与えてくれる。そんなアニメであった。

無理なSFチックな展開などがないが、一気に見きれる程見やすい。キャラも全員魅力的で変に嫌な奴は登場しない。これらの点から、日常系のアニメとして非常に完成度が高いと感じる。日常系アニメにどぎつい展開は要らない。

 

 

3.WORKING!!

構成★★★

構図★★

完成度★★★

面白さ★★

 

主人公小鳥遊のアルバイト先のファミレスでの物語。それぞれのキャラクターがとても立っており、キャラ同士のわちゃわちゃ感は見ていて楽しい。

残念な点として、良くも悪くも展開がありがちなところだ。恋愛に鈍感な主人公と、ツンデレのヒロイン。敷かれた定石通りに事は進んでいく。このアニメにそんな展開を求める方が酷な話ではあるが、その辺りの展開が中途半端に感じた。

恋愛系でがっつりやるならそれをもっと軸において欲しいし、最小限に抑えるならば匂わせ程度にしておけばいいと感じるのだ。

 

 

4.呪術廻戦

構成★

構図★★★★★

完成度★★★★

面白さ★★

 

このアニメはとにかくアニメーションとキャラクターが格好いい。そういうアニメだ。

設定は呪術という呪いをテーマとし、主人公が最強格の敵と体を分かつというもの。序盤から主人公が最強だったり、それからも苦行多難を乗り越えメキメキと強くなっていく様は王道で爽快である。この手の王道アニメに設定をごちゃごちゃ言うのも野暮なのでこれ以上の言及は慎む。

このアニメの良さとしてアニメーション(加え作画)を挙げたが、本当に素晴らしい。五条悟の領域展開のアニメーションは非常に良かった。

脳はからっぽにして、童心に帰って見よう。

 

 

5.らき☆すた

構成★★★

構図★★★★

完成度★★★★

面白さ★★★★

 

もってけセーラー服はニコニコ時代を過ごした僕からすると、非常に懐かしい。らきすたの存在は知っていたものの、オタク臭の強いアニメという印象があり、ずっと敬遠していた。意を決して大学生になった今、視聴する。

とてもメタな日常系アニメだ。主人公の泉こなたが生粋のオタクであり、オタクには伝わる絶妙な発言が刺さる。そして柊かがみの生粋のツンデレキャラもとても良い。このアニメからは好きな人は好きに、勝手にやるという意思を感じる。

らきすたはオタク讃歌である。

 

 

6.コードギアス反逆のルルーシュ(1,2期)

構成★★★★★

構図★★★★★

完成度★★★★★

面白さ★★★★★

 

このアニメは本当に全てが満点だ。日常回から戦闘回まで無駄がない。戦闘もただの戦力ごり押しだけでなく、知的な戦略の戦いでありとても見ごたえがある。また逆に知的な戦略が戦術によって突破される強引さもリアリティがあって良い。

何より良いのは物語の展開だ。主人公ルルーシュの正義とライバル(旧友)スザクの正義、そしてどのキャラクターにも己の正義があり、それらが互いにぶつかる。そこに真の人間性が現れる。どんな高明な思想をかざしているものも、突き詰めると自分の私利私欲からの思想であり、そこに衝突した時こそ人は悩み苦しむ。ルルーシュはそんな己の正義と葛藤しながら、引き返すことができなくなり、パンドラの箱を開けていくのだ。スザクは当初は正義感溢れる好青年のような描かれであったが、徐々に自分の進む道と思想との葛藤に苦しむ。そんなジレンマに苦しむ者同士の戦いにて1期は終える。そして2期へ続く訳であるが、最後の結末はこのアニメを圧倒的とする展開であった。

まさにドストエフスキーの『罪と罰』のように、人間の本質に迫る物語だ。

コードギアスは今まで観た中で、最も完成度の高い作品だ。

 

7.みなみけ

構成★★★

構図★★★★

完成度★★★

面白さ★★★

 

元祖(?)日常系アニメ。

南家三姉妹の日常を描くアニメだ。しっかりものの高校生の長女と究極的バカな中学生の次女、そして毒舌家の小学生の三女によって物語が進む。

おバカ日常系に振り切った本作品は観ていて安心した。濃い登場人物達の生活は見ていて飽きることはなかった。

リアルな表情のカットインは、シャフトを彷彿とさせるが、この技法の元はどこからなのだろうか。

みなみけは元祖たりうる風格の日常系アニメであった。

 

 

8.Angel Beats!

構成★★★★★

構図★★★★

完成度★★★

面白さ★★★★★

 

好きなアニメベスト5には食い込む作品であった。1クールで終わるスピード感でここまでの満足度は想定外である。

死ぬ際に後悔し、死んだものが集まる学園。そして主人公は記憶を失くし、何故自分が死に、何を理由にやりきれないのかも分からない。まずこの設定が面白い。主人公の死の理由や他のキャラの生い立ち、様々な想像が膨らむ。特に良かったのはその主人公音無の最期のストーリーと天使と呼ばれる立華とのストーリーだ。その展開とてつもなく感動した。

問題点として、回収されていない伏線や矛盾点がいくつかある。しかし、それらを凌駕する見せ場での魅力がこの作品の良さであると考える。アニメとしての完成度の高さと感動は相関関係にあれど、必ずも比例するとは言えない。真に良いアニメとはその内容が、その人の人生に問いかけるものである。

忘れられない物語であった。

 

 

9.STEINS;GATE

構成★★★★★

構図★★★★

完成度★★★★★

面白さ★★★★

 

タイムリープもの最高峰のアニメ。

1期までの視聴であったが、これは非常に完成度が高い。序盤は主人公の支離滅裂な発言と展開の遅さから脱落しかけたが、後半にかけて徐々に盛り上がっていき、終盤の内容は重く辛いが、見進めたくなるものであった。

主人公の岡部は所謂中二病キャラで、度々意味不明なマッドサイエンティスト気取りな発言をする。それに苛立ちを覚えたが、のちにこれらの言動に意味があることがわかったり、1話の怒涛の伏線回収は素晴らしかった。タイムリープにおける主人公の想像を絶する苦悩と孤独。ただただ岡部は人を救うために繰り返すが、その結果は収束するという、あまりに非情な事実をたたきつけられる。その主人公の表情や見せ方が非常に絶望感溢れていて感情移入できるものであった。

タイムリープジャンル最高作品であった。

 

 

10.宇宙よりも遠い場所

構成★★★★

構図★★★★★

完成度★★★★★

面白さ★★★★

 

南極を目指す女子高校生たちの物語。

この作品の良いところは作画もさることながら、内容も非常に充実していることだ。主人公が特に該当するのだが、日々をなんとなく過ごし過ぎてゆく、そんな現状にどこか不満で、だけれども行動できない自分との葛藤、そして一歩踏み出していく勇気が大きな物語のテーマとなっている。南極はあくまでもその浸りきってしまった日常から脱却するための記号であり、それに踏み出すまでの描写が丁寧に描かれていて良かった。それから同年代4人で南極へ出発することになるが、そこから発生するイベントも丁寧に今の子供たちを描いていると感じた。

とても綺麗でちょっぴりリアルな学生の物語であった。

 

 

11.化物語

構成★★★★

構図★★★★★

完成度★★★★

面白さ★★

 

最後の作品はこれ。物語シリーズから、化物語

僕にとってこの作品はシャフトの印象が色濃く出ていると感じている。奇抜なアニメーションとカット、小説をそのままの意味でアニメ化する技法、それらをとても巧みにそして大胆に作り上げた作品であった。視点やカットに仕方など非常に勉強になると思いながら見ていた。例えば、言葉をコンマ数秒のカットインで挿入したり、鬼気迫る場面において顔のドアップ(ほぼ目)を映し出したり、それら大胆な見せ方は参考になった。

面白さが減点された理由として、人間関係の描き方がとても雑であったことだ。困ってる人を助けて好かれる。それの繰り返しが単調に続いていくと思うと、もはや物語として楽しく見れないと感じてしまったからだ。人が好きになったり、関わろうとするのはもっと複雑で簡単なものではないと私は考えているため、この人間関係の見せ方をざっくり主人公の人の良さで語りきってしまうのは、いささか悪印象だった。なのであえて言わせてもらうと、この作品は映像作品としてしか評価できない。

圧倒的大胆なアニメ技法を取り入れた映像作品であった。

 

 

 

ここまで非常にボリュームがあったが、何とか書き終えた。

名作と呼ばれる作品らを一気に読んだせいか、心がパンクしかけてしまった。しかし、一度このようにアウトプットすることで、少しは次への踏ん切りがつけられるというものだ。

一応この中でベスト3を選出しておくと、

1.コードギアス

2.Angel Beats!

3.シュタインズゲート

であろうか。やはり圧倒的展開とヒューマンドラマが好きで、細かい伏線回収や矛盾のないストーリーよりも、いかに人間を描いているかが重要だと感じる。その点がAngel Beats!が2位へ躍り出た理由で、コードギアスは全てにおいて完璧であった。

また日常ものはランキングに食い込まないが、見ているときは最も幸せを感じられると認識している。

 

以上をもって、2月上半期のアニメ振り返りを終える。

尚、いずれも個人の感想ゆえに、あまり気に留めないでほしい。