一度だけ変わるんだ
(7月過去作)
朝7:30に起き家を出る。
自転車に乗り込み、途中バイト先の高校生に見られなんだか恥ずかしい気分に。
そしていつもの駐輪場に自転車を置く。
しかし、いつもとは違う電車に乗り込む。
「この電車に乗るのも割りと久しぶりだな」
そう。今日は3ヶ月ぶりのインカレ建築サークルの日なのだ。
ここまで日が空いてしまったのは僕の建築への興味が薄れたことにある。いや、薄れたことによって空いてしまったのではなく、空いてしまったから薄れてしまったのだろう。
勿論こんなつもりじゃなかった。
やはり人生予想通りことが運ぶことは滅多にないようだ。
しかし遠回りの中でいくつかの収穫もあった。新しい友達ができたり経験できたり。どうやら多少遠回りしたところで人生全てが無価値になるということもなさそうだ。
今は目的地へ向かう途中の電車の中。
今までのどんな朝よりもやる気に満ちていて、少し興奮気味である。
やっぱり自分が本当に心を決めた決断というのは生活を充実にしてくれる。昼頃に起きていた日々と比較するとやはり差を感じる。今は罪悪感も後悔もないスッキリとした気分だからだ。
自分が本当にやりたかったことが何なのかを少しだけ実感する。
ここから何か変わる気がする。
いい方向に変わる気がする。
そんな朝を迎えることができたのはいつぶりだろう。